前当孝夫[ほか]
「’88年製いすゞインパルスについて」 いすゞ技報 No.
79 (1988) p. 66-73
■ '88年型インパルスの開発の狙い
(1)
クオリティの高いスペシャルティカーとしての地位を確固たるものとする為、各種基本性能を熟成させる
(2) 好評の内外装を更にリファインして商品力を強化する
(3) 法規適合の為オートマチックシートベルトを採用する
(4) 高級乗用車として装備品の充実を図る
■ 車両概要
1.
2.3L SOHCエンジン搭載 ノンターボ・モデル投入 トルーパーII等に搭載されている4ZD1型エンジンをベースにカムシャフトを改良し高出力化
2.
サスペンションの熟成 後述
3.
オートマチックシートベルトの採用。 米国・安全法規改定対応のため
4.
内外装のリフレッシュ よりクリーンかつ高品質なイメージへ
外観:エンジンフード、ラジエータグリル、コンビネーションランプ等変更 内装:室内全体
5.
振動、騒音性能の改良
6.
装備品の充実、及び諸性能の向上 サンルーフとオートアンテナ採用、6スピーカー採用、エアコンのブラワユニット、エバポレータユニット、ダクト等の形状見直し、通気抵抗の減少を図る、フロントコンソールにベンチレーショングリル設ける
7.
その他 防錆鋼鈑の採用範囲拡大、ブレーキロータのダクロ処理等により防錆性能の向上図る
■ エンジン
- P’UF(ファスター)とTROOPER
II(ビッグホーン)搭載の4ZD1型 出力17%向上 112PS
- 出力向上の他、振動、騒音性能の改良、耐熱害性の向上(フューエルインジェクタのタイプ変更でベーパ発生を抑制)
- 燃料ポンプをインライン式からインタンク式に変更
■ シャシチューニングはこちら
■ オートマチックシートベルトの採用
■ デザイン
POWERFUL ELEGANTなエクステリア
- アイリッド廃止、ウィンドシールドグラスとの一体感を表現したブラックアウト部を持つ、丸みを強調したエンジンフードには2.3Lエンジンに対応したダイナミックなパワーバルジを持たせ、大胆なパターンのラジエータグリルを対比させ特徴的なフロント回り (新規格のF型ヘッドランプの採用) [註:パワーバルジがボンネットに着いたインパルスについては、「ベストカー」誌の1987年1月10日号でスクープされている。掲載された写真は、1986年の8or9月頃にデスバレーで撮影されたもので、DOHCターボ登場か!?となっている]。
- LED使用のハイマウントストップランプ
- ワイルドで力強いパターンのアルミホイール、プロテクション効果を持ったサイドモール
SAFETY & COMFORTABLEなインテリア
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ニーパッドの追加
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3本スポークのステアリングホイール
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トリム類の材質、工法全ての見直し
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クロス類も全て見直し、疾駆で高品質、スポーティさ
■ 振動、騒音の改良
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こもり音の改良 エンジンマウントラバーの大型化等
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エンジンノイズ、振動の改良
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風切音の改良
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ステアリング振動の低減
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発進時の振動低減
■ 装備品の充実、及び諸性能の改良
- 市場要求の強い サンルーフ(ジェミニ用を改良) オートアンテナ(作動音を配慮してラバーマウント)
- 音響機器の改良 6スピーカーシステム採用
- 空調性能の改良 ブロワモータの出力をアップすることなく吹き出し口風量を20%アップ、フロントコンソールにベンチレーショングリルを設定
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